7月23日、札幌市高校センターにおいて教育全国署名北海道スタート集会を開催し、50名以上が参加しました。道教組川村委員長の開会あいさつに続き、事務局長の新保から「ゆきとどいた教育をすすめる北海道連絡会」2016年度の活動総括、2017年度方針の提案があり承認されました。4年目の教育キャラバンで全道179自治体を一巡しました。首長や教育長との懇談で、ゆきとどいた教育の趣旨に賛同が広がり、自治体の教育条件整備の努力も私たちが知ることとなり、大変有意義なものでした。また、この間の全国的な要求運動で、大学生への給付型奨学金の扉をこじ開けた成果も確認できました。
東京から来ていただいた全教の波岡さんからは、「今年度から少人数学級で前進した県が、茨城、栃木など5県ある。OECD並みの4.54%へ教育予算を引き上げれば6.6兆円教育予算になります。小中学校の35人学級実現、臨時、非常勤職員の正規化は2兆円で実現する試算が出ています」などと報告していただきました。
経験交流では、網走教組の山本さんから、「オホーツク管内では網走教組と高教組で教育全国署名に一緒に取り組んでいます。9月2日には網走教組のスタート集会も予定し、1000筆以上の目標で頑張ります」と決意を語ってくれました。
高教組伏見支援学校の三浦さんから「新設の伏見支援学校の養護教諭です。以前いた札幌養護学校は全道一のマンモス校になり大変です。プレハブ教室を設置してありますが、夏は暑く、冬は寒くてひどい状況です。伏見支援学校も、来年3教室不足する状況です」と教育環境の悪化を訴えました。
新婦人小樽支部の丸山さんから、「小樽では小中学校統廃合がすすみ、市内を6地域に分け、小学校27校が13校に、中学校14校が8校にされようとしています。当然、地域の中では反対運動が起きています。小樽工業高校と商業高校の統合にも諸問題が・・・」との具体的な報告でした。
フロアからは、高教組旭川支部の松代さん、道退教の土井さん、高教組網走支部の山下さん、高教組北見支部の山崎さん、宗谷教組の内藤さんが発言し、全道交流を豊かにしてくれました。
スタート集会終了後、参加者は大通公園に移動し、約30名で街頭宣伝・署名行動を行い、札幌市民や観光客に訴えました。リレートークで全教の波岡さんを先頭に、様々な団体がマイクで訴え、予想以上に署名が集まりました。好天の下、45分の行動で71筆集約し、教育全国署名に対する関心の高さを実感しました。そして、今後の署名運動に向けすばらしいスタートを切ることができました。
教育予算増額、少人数学級の前進、私学助成拡充、教育の無償化などを求めて7日、東京都内で「ゆきとどいた教育を求める全国署名」(教育全国署名)のスタート集会が開かれました。
12月の署名集約までの約5ヶ月間、全国各地で父母、学生、教職員、地域住民らが運動します。主催は「ゆきとどいた教育を進める会」です。
基調報告した「全国私学助成を進める会」の山口直之さんは、運動によって「教育無償化」の前進や給付制奨学金の創設などを実現させてきたと述べ、「さらなる前進・拡充が求められています。子どもたちが学びたい学びに出会える教育にしましょう」と呼びかけました。
北海道からは、新保道教組書記長、本多高教組執行委員・野村さん、道私教組から本間さん・鈴木さんが参加しました。北海道での目標は、私立10万筆・公立8万筆と宣言しました。
釧路管内キャラバン(第2弾)
厚岸町訪問
高橋教育長は、「翔洋高校へ通う他市町村からの子どもには、通学補助を措置しています。小学生まで医療費は無料にして子育て支援を行っています。…」と話します。
浜中町訪問(11月11日)
内村教育長から「地域でしっかり育んでいくこと。バランスのとれた人格形成をすすめたい。中学校にはバス2台を常駐させ、津波の時はバスで避難します」と語ってくれました。
弟子屈町訪問
小林教育長から「全国学力テストは、全道で94%の市町村が結果を公表しています。道教委から公表するように言われますが、弟子屈町は公表していません。他県は35人学級をすすめているのに、北海道ではすすんでいない。もっと35人学級をすすめるべき」という話しをいただきました。
○全教・道高教組・道教組に寄せられた台風被害支援カンパ……合計100万円を、被害の甚大な4町におとどけしました
<南富良野町>岩淵教育長に被害状況を伺いました。「台風で、住宅、教員住宅、畑、道路、橋、水道などで被害が出ました。2年間分のゴミが出てどうしたものか。今は住宅の復旧を優先して行っています。農地の復旧は、冬になってしまったので、来春に土の入れ替えからしないとならない。3年間の激甚被害による国からの補助でなんとかしないと」と話されました。
<新得町>武田教育長は「12月29日にはJRが回復するという情報もありますが、十勝毎日では23日となっています。台風被害で水が止まり、給食センターが使えないため、3週間ぐらい簡易給食になりました。トイレが使えなくなり、困りました。交通機関がだめになり、高校生は通えない期間もありました」と話されました。
<清水町>伊藤教育長は「水道、電気、電話はすべてダメになり、そのため給食は簡易給食になりました。中学生からは、もう少し食べたいという声もあり、家からおにぎりなど持参もしてもいいことにしました。そのような被害の中、高校生が給水ボランティアをしてくれて助かりました。列車が止まり、十勝バスが臨時便を出してくれました。農業被害は165億円にもなり、かなりの被害です。お風呂に入れない町民のため、十勝川温泉が1週間ぐらい開放していただき、助かりました」と話されました。
<芽室町>武田教育長は教員異動のための面接の時間を割いて応対していただき、「来春の農家の作付けが出来るかどうか、被害の本当の状況が分かるのはこの後になってから。大切に使わせていただきます」と述べられました。
オホーツク管内の4町で「ゆきとどいた教育をすすめる自治体キャラバン」
<清里町>岸本教育長と懇談
<斜里町>村田教育長、岡田教育部長、鹿野生涯学習課長の3名と懇談
<小清水町>渡辺教育長と懇談
<美幌町>教育長が緊急会議のため、学校教育グループ総務担当主査の片平さんが対応してくださいました。
○85,549筆集約(11月24日現在)
○各地の取り組み
・都教組 ・静岡 静岡高
・岐阜 ・愛知高
○地方議会への取り組み
・香川県議会
「国の責任による35人以下学級の前進」を求める意見書が全会一致で可決
鶴居村訪問(11月10日)
鶴居村を訪問。国安教育長と懇談を行いました。
教育長は「鶴居村には高校がないので、通学バス代の助成をしています。高校生には月1万(高等学校等人材育成支援制度)を3年間助成しています。特別支援教育支援員の給与は国から80万程度しかこないので、200万に増額して6名配置しています。そして、中学生までの医療費無料化を先進的に行ってきました」と語ってくれました。
「ゆきとどいた教育をすすめる地域学習会in釧路」
教育大釧路校の廣田健さんが「北海道・道東の地域教育の現状と課題」を報告。「相対的貧困家庭は保護者もダブルワークで働く方が多く、子どもの世話ができない、そして、社会参加ができなく孤立している。僻地の小規模校が増え、バス通学では放課後活動ができない。学校が消えると地域の担い手も減ることになる。学校が集落をつくっているのです」と語りました。
○教育全国署名……11月11日集約 57,579筆
【千葉】
「ゆきとどいた教育をもとめる千葉県民の会」の署名用紙では、全国の中高生に聞いた「高校生・中学生1 万人憲法についてのアンケート」の教育費無償化などの回答、学級での人数の違いよる学校の様子などを視覚的に訴え署名にとりくんでします。
【岡山高】
10 月1 日(土)、天満屋本店アリス広場前において今年度最初の教育全国署名統一行動をおこないました。備前支部から8 名、本部から3 名の計11 名の参加で82 筆の署名が集まりました。
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次回集約は11月25 日(金)です。各地でのとりくみもあわせてご報告ください。
集約集会で、各地のとりくみを紹介します。
中標津町訪問(9月28日)
道教組の椙木書記長と根室教組中標津支部の山上支部長が中標津町教育委員会を訪問し、小谷木教育長、南教育部長、赤塚管理課長の3名が応対してくれました。
教育長は、「地元の農業高校が道立から町立となり、町の責任で運営することとなった。生徒も減少し、町費だけでは改修できずとても困っている」と話してくれました。中標津町は「過疎債」の対象町でないことから地方交付税の増額が見込めず、人口の少ない町にとっては財政負担が重いとのことでした。
教育全国署名の記入についてのお願い
すでに教育全国署名を組合、他団体から送付いただいています。その中で、名前や住所が「〃」で記入されているものがあります。
送付される前に、名前や住所に「〃」があれば修正し、正しい住所の記入をしてから送付していただくようにお願いします。
4.蘭越町訪問
町長は在任期間28年目。原発やTPP問題にも関心を寄せるなど、広い視野で町づくりを考えていることを感じました。「高校生まで医療費は無料」「町職員の給与カットはあっても、教育費のカットはしてい ない」「高校新入生には制服代全額補助を行う」など、厳しい財政でも教育条件整備には予算をかけるようにしていると語ってました。
5.積丹町訪問
小学校は漁港ごとに地域住民が守って維持しています。運動会や学芸会は地域の皆さんが準備を手伝ってくれます。5・6年生は合同授業もあり、冬のスキー授業も合同で行います。中学校は積丹町の東の端にかたよっているので、遠方の子どもはスクールバスで通います。高校生は小樽や余市に通っています。交通費は町で補助、下宿代も補助を出しているそうです。
6.古平町
小・中学校とに落ち着いて、いじめ不登校が少ない状況です。小学校に支援員3名、中学校に1名配置し、特別支援学級が3あります。幼保一体型稚園にして、3人目の子どもは無料にしています。私たちは、教育条件整備で毎年署名を通して、国や道に要求していることを伝えました。 教育長とお話をしている間、スクールバスを待っいる子どもたちが楽しそうに遊んでいました。
後志管内キャラバンで6町を訪問
1.仁木町訪問(9月26日)
事務局の新保・菱木が2日間で後志管内の6町を訪問し、最初はフルーツで有名な仁木町を訪問しました。町長からは、「人口減の中、農業の後継者をつくりたい。町外から来てくれた場合は2年間住宅を用意している。フルーツは手間がかかるので、ミニトマトの栽培が主流になっている」など、町づくりの創意工夫が話されました。
2.共和町訪問
教育長 からは、「小学校3校 、中学校1校、共和高校があり、20数名しかいない。来年度募集停止になる共和高校では、手厚い指導で不登校気味の子の受け皿になっていて居場所ができている」と語っていました。
3.岩内町訪問
教育長は、「少し荒れた時期もあったが、今は落ち着いてる。小学校に支援員を集中させ指導している。教頭の多忙が問題となっており、教員への影響も大きい。校長 会や教育長を通じて、多忙解消にとりくみ、 職場で余裕を持って仕事や授業づくりに打ち込むことができるような環境づくりをしている。 みんなで分担しながらとりくみ改善されつつある 」。
北見で、教育全国署名スタート集会を開きました……(下の記事を参照)
8月25日、道退教・高退教が教育全国署名の共同行動を行う
道退教と高退教は、8月25日午後1時から札幌大通り西3丁目で、ゆきとどいた教育をすすめる全国署名の共同行動を行いました。
「私たちは、北海道の小・中・高校の退職した教職員のあつまりです。先進国の中でもトップクラスの経済大国なのに、教育にかけるお金は、OECD先進諸国の中では最下位クラスです。一学級あたりの子どもの数を減らすこと、給付型の奨学金をつくることなどを求めています」と訴えました。通り過ぎていく方も少なくはありませんが、「署名をします!」と駆け寄ってくる方が何人もいました。
道退教・高退教では、12月の全道・全国の最終集約に向けて、地域で・街頭で・様々な関係諸団体を通じて署名活動を進めていこうと取り組みを強めています。
8月26日、高教組北見支部、網走教組、オホーツク勤医協から計19名が参加し、北見署名スタート集会が開催されました。
開会にあたり、高教組北見支部の河口支部長が、
「子どもたちには、憲法で請求権が定められていることを教えているが、私たち自身請求権を行使しているか? 労働組合は自分たちの労働条件のことだけでたたかっているイメージがあるが、私たちは子どもたちの教育条件整備のため、貴重な時間を使ってとりくみをおこなっている。そのことに誇りをもって今年もとりくんでいきたい」
と話しました。
また、オホーツク勤医協で理学療法士をしている方が
「私は、大学に行きたかったが経済的な理由で専門学校にしか行けなかった。お金のことで悩み、苦しい学校生活を過ごしてきた。今、こうして資格を得て働けているのは、叔母や祖父母が資金援助して専門学校に行かせてくれたから。親の経済力によって進路が左右されている子どもたちの現状は、他人事ではない。お金のことを心配しないで大学まで学費の無償化が実現すると、そんな幸せなことはないと思う。少しでも多くの人たちに署名してもらえるよう、微力ながら力になりたい」
と涙ながらに訴え、参加者から拍手が送られました。
その後、署名行動について、街頭署名の際に署名の趣旨を分かりやすく説明するための横断幕やボードの作成について検討し、今年も街頭署名に参加することや、職場内でのとりくみについて話し合われました。
八雲町へ教育キャラバン実施
8月4日、「ゆきとどいた教育をすすめる北海道連絡会」の菱木(高教組)、新保(新保)の2名で八雲町熊石教育事務所と八雲町教育委員会を訪問し、関係者と懇談を行ってきました。
………田中教育長さんは「私は教育長になって1年目です。学校が統廃合でなくなることは、地域の方と同じような思い。ただし、1人・2人(複式)の教師で良質な教育をすることは難しい。高校配置計画にはいろいろな思いがある。自分たちの高校だけを残そうと思っても厳しい。横の連携が大事だと思う。大切なことは子どもを中心にして考えることからからぶれてはいけない。35人以下学級実現について、八雲町内ではすでに多くの学校で35人以下学級になっており、少人数学級実現の恩恵を受けることができる学校は2校しかない」などと話されました。
「ゆきとどいた教育をすすめる北海道連絡会」総会&スタート集会開催
「ゆきといどいた教育を求める全国署名」
スタート集会開催!
≪
署名運動期間≫ 7月~12月
≪北海道の目標≫ 公立8万筆 私学10万筆
「ゆきといどいた教育を求める全国署名」のスタート集会が7月15日、東京都内で開かれました。全国から280名が参加し、今年の署名とりくみの方針、特別報告、各都道府県からの決意表明がありました。
教育全国署名は、「教育予算増額、35人以下学級の前進、教育費の保護者負担軽減、特別支援学校の設置基準要求」などを求めています。すすめる会は昨年度までに4億4280万人から署名を集め、地方議会の請願採択や地域の人々と共同を広げてきました。
集会では、東京と神奈川の私立高校に通う生徒から発言がありました。「ごめんな、稼ぎが少なくて」とリストラになったお父さんの言葉。「私がバイトしないと家族が食べていけない」「私は将来国語の教師になりたい。でも、父はうつ病でリストラになり、暴力をはたらく。母は泣きながら『ごめんね』と言います。授業料が無償なら母も泣かなくてすむのに」などと報告があり、子どもの貧困問題が浮き彫りになりました。
参加した東京の私立高校生は、私の学校は5万筆の目標を掲げて生徒会も全力で取り組みます、との決意も表明しました。
北海道は、高教組から菱木書記次長、菅田書記、道教組から新保副委員長、「北海道私学助成をすすめる会」から鈴木代表、鈴木(美幸)副代表の5名が参加。各都道府県の決意表明では、北海道を代表して、菅田書記が「北海道の目標は18万筆」と訴えました。
スタート集会前の院内集会では、主催者あいさつで全教の蟹澤執行委員長が情勢にふれ、「大企業優先ではなく、子どもの貧困解消のための予算を組むべきだ。日本はお金がないわけではない。税金の使い方が間違っている。リニア新幹線に大金を使う必要もない」などと述べました。
○北海道議会の文教委員会委員長、副委員長と懇談
「ゆきとどいた教育をすすめる北海道連絡会」
は、えがお署名、教育全国署名の内容を実現させるため、道議会文教委員会の委員長・副委員長と、今年度最初の懇談・要請行動を行いました。
○大崎誠子(自民)委員長と懇談
○橋本豊行(民進)副委員長と懇談